トピックス投稿 – SDGs Topics /o-kun 「o:kun」web magazineは、ワタミグループ創業者 渡邉美樹が主宰するビジネスのチカラで社会問題の解決する「ソーシャル・ビジネス」を応援するサイトです。 Fri, 18 Apr 2025 04:49:19 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.8.1 ワタミファームが子どもと農業をつなぐ「ファーマーズキッズ&フェスタ」に出店! /o-kun/news/20250418/ Fri, 18 Apr 2025 04:49:19 +0000 /o-kun/?post_type=news&p=206 ワタミグループは2002年から、お客様に安全な食材でおもてなしをしたいという想いから有機農業をスタートさせました。現在、全国7カ所530haのワタミファームで日本最大級の規模で農業・酪農事業に取り組んでいます。

ワタミオーガニックではワタミファームで採れた食材を商品化し販売を行っています。今回は2025年3月2日~3日にかけて、代々木公園で開催された「ファーマーズ&キッズフェスタ」に出店し、子どもたちにワタミオーガニックの商品を通して安全安心な有機農業を伝えた取り組みの様子をお伝えします。

 

ワタミオーガニックの詳細はこちらから→https://watami-organic.jp/

ファーマーズキッズ&フェスタの詳細はこちらから→https://farmerskids.jp/

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ワタミやローソン、陸前高田の森づくりで生物多様性を身近に /o-kun/news/20250306/ Thu, 06 Mar 2025 00:15:28 +0000 /o-kun/?post_type=news&p=196 サスティナブルビジネスマガジン「alterna」にワタミが掲載されました。
以下、掲載記事。

記事のポイント
1.ワタミやローソンなど7社が陸前高田市での森づくりに関する協定を結んだ
2.森林再生に取り組む団体のコーディネートで25年度から森林活動を実施する
3.ワタミは自然共生サイトへの登録などを目指すとともに社員への啓発の場にする

ワタミやローソンなど7社はこのほど、陸前高田市での森づくりに関する協定を締結した。7社はSave Earth Foundationのコーディネートで、2025年度から森林の1区画を利用して森林活動を実施する。ワタミは今回の協定を通じて、自然共生サイトへの登録や社員研修や環境教育の場としていく。

 

陸前高田市と企業7社が森づくりに関する協定を締結した

陸前高田市と企業7社が森づくりに関する協定を締結した

 

協定を締結した企業はワタミとローソン以外に、ウェイトボックス、ガイアドリーム、ニッスイ、ボンマックス、理研ビタミン。各企業は25年度からSave Earth Foundation(SEF)のコーディネートで、植樹や下草刈り、枝打ちなどの森林活動を実施する。陸前高田市や陸前高田森林組合が現地での活動支援を行う。

2011年からワタミの渡邉美樹会長兼社長CEOが市の参与を務めるなどしてきた。23年にはグループ会社のワタミエナジーが市とSEFが締結した「森林資源の活用に関するい連携協定」を締結。このなかで多様な主体が参加する森林活動をめざすことが明記され、今回の協定につながった。

陸前高田市は市内面積のうち森林面積が約80%を占める。森林クレジットの対象エリアとなる気仙町は市内でも立木の成長が旺盛で、豊富な間伐の実績からGHGの吸収能力に優れた森林が育つ。市としては、クレジットの販売収益を森林整備や林業振興施策の財源に充てて、市内のほかの森林にも還元される好循環を作りたい考えだ。

2月4日からはJクレジットの販売を開始した。販売で得た収益は「陸前高田市森づくり基金」を通じて、森づくりに生かす。

オルタナ編集部 萩原 哲郎氏
記事詳細→https://www.alterna.co.jp/146341/

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公益財団法人支援活動「ワタミグループ社員がカンボジア孤児院を視察」 /o-kun/news/202502226/ Fri, 28 Feb 2025 03:11:22 +0000 /o-kun/?post_type=news&p=192 ワタミグループは2025年1月21日~25日にグループ社員を対象に、カンボジア教育支援視察ツアーを催行しました。
ワタミが支援する公益財団法人School Aid Japan(以下、SAJ)の活動をより理解し支援につなげるため、グループ社員12名が有志でツアーに参加。ツアーではカンボジアの人々の暮らしや歴史に触れ、SAJが建設した学校や、運営している孤児院を視察しました。
今回はグループ社員が孤児院を訪れた際の様子をお届けいたします。

公益財団法人School Aid Japanについての詳細 https://www.schoolaidjapan.or.jp/

 

 
 

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ワタミが糖尿病患者向け宅配弁当、「おいしい」と「健康」の両立を実現 /o-kun/news/20241228/ Sat, 28 Dec 2024 01:00:37 +0000 /o-kun/?post_type=news&p=188 ワタミは2024年12月2日、糖尿病患者向けの宅配弁当の販売を開始した。ヘルスケア事業を行うおいしい健康(東京・中央)と共同で開発し、「ワタミ de おいしい健康」と名付けた。過去四半世紀で糖尿病が強く疑われる人は倍増するなか、ワタミは「おいしい」糖尿病食で、患者の治療をサポートする。

 

糖尿病の食事療法のために開発した

糖尿病の食事療法のために開発した

「おいしい」と「健康」の両立を目指した糖尿病患者向け宅配弁当「ワタミ de おいしい健康」。注文すれば毎日1食が家に届く仕組みだ。価格は、1食税込み690円(配送料込み)だ。全国のワタミ516の営業拠点を中心に案内し、各地の病院やクリニックにも展開する。

ワタミが10月に医療従事者に試食を提供したところ、案内開始から約1カ月で3079の施設から17245食の試食の申し込みがあった。11月25日からのテスト販売では、28日までの3日間で1万食の申し込みを受け付けた。

ワタミの渡邉美樹社長は、「『おいしい』糖尿病食を作りたかった。10年後には、1日10万食の販売を目指す」と意気込みを語った。

■1万2000以上のレシピからベスト20を商品化

「ワタミ de おいしい健康」を開発するうえで、「課題は『味』だった」(渡邉社長)という。おいしさを実現するために、次の3つにこだわった。

まず、使用する調味料を絞った。シンプルな味付けでおいしくすることを目指し、塩分も控えめにした。

さらに、食材そのものが持つ「おいしさ」を引き出した。食材の個性を活かすことで、過度に味付けをしなくてもおいしくできた。

三つ目は、食材の組み合わせを工夫したことだ。サバとトマトを組み合わせるなど試行錯誤を重ね、おいしさと栄養バランスを高め合うことに成功した。

宅配弁当のレシピ開発に協力したのは、おいしい健康だ。同社が提供するアプリでは1万2000以上のレシピを掲載しており、月間ユーザー数は130万人に上る。

野尻哲也CEOは、「今回の糖尿病患者向けのお弁当では、1万2000以上のレシピからベスト20を商品化した。これからもっと増やしていきたい」と語る。

今回のコラボは、「誰もがいつまでも、おいしく食べられるように」と考えながら進めた。誰もが好きなものを食べながら健康でいられること。年をとっても、病気であっても、好きなものを食べて健康でいられることを目指したという。

同社が提供するアプリでは、AIが献立てを提供してくれるのが特徴だ。プロフィールを登録すれば、あとは好きな食事を選ぶだけで栄養管理ができる。

アプリを活用した臨床研究にも取り組む。糖尿病患者が、おいしい健康のレシピで料理すると、血糖値が落ちるというデータも得た。

野尻CEOは、「かつて糖尿病には偏見があった」と話す。

「味気ない食事を強制され、治療を止めると『本人が悪い』と責められてしまっていた。私の父もそう。糖尿病食がおいしければ、父はもっと元気だったかもしれないという思いがある」

■糖尿病治療で、患者自身が食事管理を継続することは難しい

ワタミの宅食事業で、主力商品は冷蔵できるお弁当だ。他にも、子育て世代向けのミールキットをはじめ、単身者が使いやすい冷凍のお総菜、介護現場向けの商品を展開する。

渡邉社長は「今回、糖尿病や糖尿病予備軍の方々向けの商品をリリースする。糖尿病の食事管理はとても重要だ。深刻な社会問題でもある」と語る。

実際に、1997年から糖尿病が強く疑われる人は2倍に増え、2022年時点で1409万人に上る。

朝日生命成人病研究所付属医院で診療部長・糖尿病内科部長・治験部長を務める糖尿病内科医の大西由希子医師によると、糖尿病は暴飲暴食だからなるわけではない。もともとインスリンが出にくい体質だとなりやすくなり、初期には自覚症状がないので治療が遅れやすい。血糖値が慢性的に高い状態が長期間続くと、失明など命に関わるリスクがある。

大西医師は、「治療するためには、食事療法と運動療法がとても大切だ。その次に薬物療法がくる。医師は薬物しかコントロールできず、食事と運動を実施するのは患者自身だ」と指摘する。

その中で、患者が食事を管理するのは難しい現状がある。栄養学や糖尿病について知識が不足していたり、誘惑との葛藤があったりする。外食が多かったり、食事時間が不規則だったりする患者もいる。

そのため、継続することが難しい。「毎日毎食をつくるのは大変だし、面倒だ。いろいろ我慢が必要だし、もっと食べたいという気持ちも出てくる」(大西医師)

大西医師は、「『ワタミdeおいしい健康』のお弁当なら、おいしくて健康的で患者の負担が少ない。これを食べていれば大丈夫だと、安心して紹介できる。おいしいものを食べながら治療ができるのは、画期的なことだ」と太鼓判を押した。

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「高校生みんなの夢AWARD5」、「無駄なしきのこ畑」がグランプリに /o-kun/news/20240827/ Tue, 27 Aug 2024 01:00:19 +0000 /o-kun/?post_type=news&p=186 高校生が社会問題を解決するビジネスモデルを発表する「高校生みんなの夢AWARD5」が8月22日、国立オリンピック記念青少年総合センターで開かれた。エントリー1554人のうち、10人がファイナリストとして登壇。グランプリには、「無駄なしきのこ畑」を提案した⾼畠奏⼤さん(郁⽂館⾼等学校)が輝いた。

全体写真②

「高校生みんなの夢AWARD」は、未来を担う高校生が社会問題の解決と自分の夢を重ね、実現するためのビジネスアイデアを策定するコンテストだ。高校生に「自己の在り方や生き方」と「社会との関わり」を考えるきっかけを提供し、「夢」を持ってもらうことを目的とする。

高校生は、事前のオンライン学習コンテンツ「ソーシャルビジネス学習プログラム」を受講し、社会問題やSDGs(持続可能な開発目標)について学び、自ら解決したい社会問題を見つける。

「高校生みんなの夢AWARD」の審査基準は、「共感性・社会性」「事業性」「プレゼンテーション」の3つだ。

主催する公益財団法人みんなの夢をかなえる会は、受賞した高校生の事業計画や夢と関連する国内外研修旅行など、夢にまつわる応援サポートを行う。グランプリには、ビジネスモデルに関連する国内外の研修旅行券20万円分、準グランプリには10万円分を贈る。

■「無駄なしきのこ畑」で日本農業に革命を

高畠さん②

グランプリに輝いた⾼畠さんは、ソーラーパネルの下のデッドスペースを活用した「無駄なしきのこ畑」を提案した。「農家の減少といった日本の農業の課題は、大きなきっかけがないと歯止めがかからない。産業構造の変化が必要だ。日本の農業に革命を起こしていきたい」と力強く語った。

⾼畠さんが問題を解決する手段として着目したのが、きのこの栽培だ。菌床栽培は年に3回ほど収穫が可能で、農業経験や広大な農地がなくても参入しやすいという理由からだ。

菌床栽培に必要なおがくずや電力など、生産コストが上がっているなか、きのこだけではなく、電気や堆肥、昆虫なども販売するビジネスモデルを提案した。

グランプリ受賞を受けて、⾼畠さんは「農業以外にも、それぞれの産業の問題がある。今回の提案が、ほかの企業が変わるきっかけになれば嬉しい。自分自身もほかの産業分野の変革にも挑戦していきたい」と意気込んだ。

■闘病中の子どもたちに「勉強」の選択肢を

真貝さん②

準グランプリに選ばれたのは、新しい形の病院内教育を提案する真⾙修太郎さん(⼤阪医科薬科⼤学⾼槻⾼等学校)さんだ。

「もし自分の子どもが病気で入院し、その子が『学校に行きたい』と言ったらどうするか。病院には『院内学級』があると思うかもしれない。でも実際は全国に199学級しかない」

真⾙さんは、小学生のときにギラン・バレー症候群で入院し、院内教育の問題に直面した。「入院の短期化、頻繁化が起こり、そのたびに指導してくれる担当者が変わる。院内教育の学習管理不足は、大きな課題だ」。

そこで提案するのが、院内教育のプラットフォームだ。闘病中の子どもたちをつなぐオンラインコミュニティや、学習データの一括管理、勉強を教えてくれる学生ボランティアとのマッチングシステムなどを充実させるプランだ。

「友達と話したり、勉強したりするために、みんな学校に行きたくなる。ボランティアに助けられた子どもたちが、次のボランティアとして育っていくかもしれない。そうした世代を超えた循環をつくれたら」

真⾙さんは、「院内教育を支えるNPOの存在はあまり知られていない。『高校生みんなの夢AWARD』に参加している800人の前でプレゼンできたことは、とても良い経験になった。皆さんの力を借りて、これからも頑張っていきたい」と語った。

■囲碁を身近に、発達障がいの克服へ

撹上さん②

日本では、発達障がいがある人は10人に1人といわれている。これは左利きの割合とほぼ同じだ。自身も発達障がいがある撹上⿓之介さん(名古屋経済⼤学市邨⾼等学校)は、幼少期に囲碁と出合い、「人生が変わった」と言う。

囲碁は脳を活性化することから、撹上さんは、「Go Rise:輝く未来の一手」プロジェクトを提案。囲碁用語を分かりやすく解説するほか、囲碁検定や発達障がい児に囲碁を教える指導者育成などを計画する。

「発達障がいを持つ著名人は多い。世界を変えるのは発達障がいの人。世界的に囲碁を広めていくビジネスを展開したい」と語った。

■「水力×太陽光」で無電化地域に灯りを

細石さん①

細⽯樹成さん(大分県立大分工業高等学校)は、水力発電と太陽光発電を組み合わせたハイブリッド発電の水車を開発した。ケニアの無電化地域で普及させることを目指す。きっかけは、ケニアで医療支援を行っている医師に出会ったことだった。

発電量は5ワットと微力だが、細⽯さんは「この水車が発電することで、人々の意識を変える可能性もある」と自信をのぞかせる。社会貢献を行いたい企業向けに、水車を提供し、CSR(企業の社会的責任)活動をサポートするビジネスモデルを提案した。

細⽯さんは「微力だが、無力ではない。水車を通じて、教育水準の向上やエネルギー問題の解決につなげたい」と訴えた。

■「マスクを外せない」悩みに応えるフェイスクリーム

鈴木さん②

「コロナ禍が明けても、マスクを外せない若い人が増えている。ルッキズムや加工アプリの影響も大きい。これは社会問題だ」

こう語るのは、鈴⽊⼤輝さん(早稲⽥⼤学⾼等学院)さんだ。「マスクを着け続けることで、肌荒れが悪化し、それを隠すためにマスクを着ける。その悪循環に苦しむ人は多い」。

同じ悩みを抱えていた鈴木さんは、この問題を解決するため、マスクを着けながらスキンケアできるフェイスクリーム「ナトレア」を開発した。セルロースナノファイバーやコーヒーかすから抽出したコーヒーオイルを配合する。鈴木さんは「誰もが自分らしくある社会をつくりましょう」と呼びかけた。

■「指サック歯みがき」で世界を変えたい

福田さん②

福⽥優⽻さん(広尾学園中学校⾼等学校)は、カンボジアにボランティアに行ったとき、笑顔の子どもたちの歯がなかったり、黒かったりしたことに気付いた。カンボジアでは、歯みがきの習慣があるのは、22%だという。

一方、縫製工場では、未利用布の大量廃棄が問題になっているという。そこで、歯みがきと未利用布の活用を掛け合わせた「指サック歯みがき」を提案した。廃棄された布で指サック型の歯ブラシを作成。一般的な歯ブラシと比較しても、同じくらい磨けるという。

「歯磨き習慣と学力は関係する。歯磨き習慣で衛生問題を改善し、学力向上にもつなげていきたい」(福田さん)

■「食糧支援型教育システム」で貧困の連鎖を断ち切る

辻元さん②

辻元逢めりさん(同志社国際⾼等学校)は、インドの貧困の実態を知り、教育の重要性を認識した。同時に、親世代の食糧ニーズへの対応も必要だと考えた。

辻元さんは、学校のボランティア部でフードドライブを実施した経験から、「食糧支援型教育システム」を考案。オンラインビデオで学習した子どもたちにポイントを付与し、獲得したポイントと食料を交換できる仕組みを考えた。

辻元さんは「教育機会の拡大と食糧支援を同時に実現し、貧困問題の包括的な解決を目指したい」と話した。

■プロチームと連携し、中学の部活動を変えたい

奥津さん①

子どもや教員の減少とともに、中学校の部活動が存続の危機に瀕している。政府は、学校の負担を減らすために「部活動の地域移行」を推進するが、課題は多い。

そこで、奥津⾳乃さん(愛媛県⽴今治⻄⾼等学校)は、学校が自治体や地域のスポーツクラブと連携する「ホストシティ制度」を提案した。ロスポーツクラブが部活の指導を行う仕組みで、クラブの経営と学校の指導者不足を同時に解決したい考えだ。

奥津さんは「中学生のもっとうまくなりたいという気持ちを応援したい。自治体やプロチームと連携することで、それを実現したい」と語った。

■どんな社会問題も「自分事化」を

佐藤さん②

佐藤奏⾳さん(N⾼等学校)は、「何事も自分事化する」ことの重要性を訴えた。SDGsを含む「持続可能な開発のための2030 アジェンダ」に掲げられた「我々の世界を変革する」というメッセージの意味を強調した。

「課題に自ら気付く人を増やしていきたい」と語る佐藤さんは、「言語化できていない気付きを想像して、創造していく」ために、カードゲームなどを活用しながら、創造するプロセスを体験できる機会の提供を目指す。

小学校6年生で起業した経験がある佐藤さんは、「いまと未来を面白がって、自分が考えたことを形にしていくプロセスを体感してほしい」と呼びかけた。

■日本農業の救世主は「パクチー」

澤田さん②

澤⽥和花さん(ID学園⾼等学校)は、パクチーを活用した日本農業の課題解決を目指す「ぱくちーぱっくPROJECT」を提案した。若者の農業離れが進み、耕作放棄地が増えているなかで、自身も大好きなパクチーに着目した。

澤田さんは、採れたてのパクチーを楽しめる農業体験や、パクチー温泉などを企画する。「パクチーはビタミンCが豊富で、年齢問わずに取り入れるべき野菜。かき揚げにすると、日本のそばにも、よく合う」。

澤田さんは、「パクチー体験を通じて、パクチーマニアが集まるコミュニティをつくりたい。そこから、パクチー農家になりたいという人が出てくるかもしれない」と語った。

■2025年の「高校生みんなの夢AWARD」は万博で

渡邉美樹・審査委員長(みんなの夢をかなえる会代表理事、ワタミ代表取締役会⻑兼社⻑CEO)は、「夢は、その人が生まれてきたから起こる奇跡。人間は幸せになる権利があるが、残念ながら、世界には不平等がある。アワードの審査基準は、社会問題をビジネスの力で解決していくこと。将来、社会問題を解決するような経営者になってほしい」と期待を寄せた。

2025年は大阪・関西万博の会場で、「高校生みんなの夢AWARD」を開催する。アジア各国からもファイナリストが参加する予定だ。

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日向の森で植樹、「未来の子どもたちに残る森を」 /o-kun/news/20240528/ Tue, 28 May 2024 01:00:42 +0000 /o-kun/?post_type=news&p=184 ワタミが支援する公益財団法人Save Earth Foundation(SEF/東京・大田)は5月18日、に「みどりとふれあう植樹会」を開催した。第7回となった今回は、協力企業の社員や周辺地域に住む住人など100人以上が参加し、広葉樹の苗を175本植樹した。

挨拶をする渡邉美樹理事長

挨拶をする渡邉美樹理事

「日向の森」は千葉県山武市に所在する。古くから高品質木材として知られる「サンブスギ(山武杉)」は、江戸時代中頃にイワシ漁に使用する船材として使われたり、大火からの復興のため木材・建具の材木として供給されたりしてきた。県内のサンブスギ林の面積は9180haあり、県のスギ林面積の24%にあたる。

しかし、時代を経るにつれて外国産材の普及などにより林業が徐々に衰退。後継者不足という課題もあり、維持管理が難しくなっていた。そこでSEFと山武市が2012年に保全協定を締結し、森林保全活動を実施。24年5月末までに1924本の植樹を行い、イベント・ボランティア参加者数は3409人に達した。

森林組合の職員が植樹の方法を参加者にレクチャー

森林組合の職員が植樹の方法を参加者にレクチャー

「みどりとふれあう植樹会」では、植樹を始める前に、県森林組合の職員が植樹の方法のレクチャーも行った。植樹する場所の落ち葉などを払いながら、スコップで穴を掘り、苗木の根元をその穴に埋める。掘った土で埋め戻し、地面をならして踏み固める。最後に支柱を苗木に沿って立てて、ひもで苗木を支柱に結びつける。

苗木はケヤキやコナラ、コブシ、イロハモミジ、コムラサキシキブなどが用意され、参加者は数人のグループになって協力して植樹を行った。

参加者はケヤキやコナラなどの苗木を植樹した

参加者はケヤキやコナラなどの苗木を植樹した

植樹会に参加した女性は、スコップに体重をかけながら土を掘る。それを手伝う男性参加者は「土が意外と固くて、体重をかけないときちんと掘ることができない」と話した。植樹には渡邉美樹理事長も参加。記念碑を参加者と協力しながら、設置していた。



約1時間の植樹を終えた後は、参加者全員での記念撮影を行い、その場でカマドで焼いたピザが提供された。


SEFの百瀬則子氏は「日向の森は国産木材への需要が減るなかで放置されてきた。植樹や間伐などの活動を通じて、未来の子どもたちに森を残していきたい」と話す。活動を通じて希少植物も発見されたという。詳細については非公表だが、植樹と並行して保護活動を行っているという。

植樹後は参加者全員で記念撮影

植樹後は参加者全員で記念撮影

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町工場の未来を考える戸松裕登さんが「みんなの夢AWARD14」グランプリに /o-kun/news/20240318/ Mon, 18 Mar 2024 01:00:40 +0000 /o-kun/?post_type=news&p=182 SDGsに貢献するビジネスプランコンテスト「みんなの夢AWARD14」が3月12日に開催され、ファイナリスト7人が社会課題を解決する事業のプレゼンテーションを行った。グランプリには、「親が子に継がせたいと思える町工場を実現したい」と力強く訴えた、戸松裕登さんが輝いた。震災後建設された防潮堤を世界に誇れる文化資産にするため活動する髙橋窓太郎さんが、準グランプリと応援賞のダブル受賞を果たした。

「みんなの夢AWARD14」のファイナリストたち

「みんなの夢AWARD14」のファイナリストたち

「みんなの夢AWARD」は2010年から、公益財団法人みんなの夢をかなえる会が主催している。社会課題をビジネスで解決する社会起業家の発掘・育成・支援が目的だ。「共感性・社会性」「事業性」「プレゼンテーション」の3点を審査基準にしている。今大会から、会場の投票による「応援賞」が導入された。

 グランプリには最大2000万円の出資交渉権と賞金100万円、準グランプリには賞金50万円が贈られる。すべてのファイナリストは、希望する協賛企業からの支援も受けられる。

 審査委員は、渡邉美樹・みんなの夢をかなえる会代表理事(ワタミ代表取締役会⻑兼社⻑)、澤上篤人氏(さわかみ投信創業者)、藤野英人氏(レオス・キャピタルワークス代表取締役会長兼社長・最高投資責任者)が務めた。

子に継がせたいと思える製造業に

「担い手が減少している今、日本を代表するモノ作り産業が持続可能な産業に変わることで日本の未来も変えられる」。こう熱く訴えかけたのは、「みんなの夢AWARD14」グランプリに選ばれた、戸松裕登さんだ。

創業70年、機械加工の町工場・丸菱製作所(愛知県春日井市)を営む戸松さんは、加工技術のフリマサイト「アスナロ」を立ち上げた。同サイトでは、町工場と発注者が工程単位で商談できるスポット取り引きを行う。

例えば、閑散期に自社の技術を商品として登録すると、その技術を必要としているその他工場や発注者からのピンポイント受注が可能になり、閑散期と繁忙期の受注量の差を埋めることができる。

日本のモノづくりの現場は逼迫している。日本政策金融公庫の調査によると、製造業の49%が廃業を予定し、そのうちのほとんどが「親が子に継がせたくない」という理由からだという。「急に仕事が減る」「5年後が分からない」「価格が安い」――。このような実態から新たな設備などの投資に踏み込めず、ここ20年で町工場は半減した。

問題なのは、メーカーごとに構成されたピラミッド型のサプライチェーンの在り方だという。町工場の多くは、主要顧客の売上げが全体の売上げの9割を占める、一本足経営だ。

戸松さんは2年間で約500社の町工場を周り、「アスナロ」登録社数は400社に上る。3年以内に地元愛知県で事業化し、5年以内に全国展開を予定する。

「事業のきっかけは息子が生まれたことだった。今の工場を息子に継がせるべきか、その答えはまだ出ていない。しかし、息子が継ぎたいと思ったときに、親が継がせたいと思える業界にするため、製造・加工業者が直接評価される社会の実現をめざしたい」と訴えた。

巨大な防潮堤を世界に誇れる文化遺産に

準グランプリと応援賞のダブル受賞を果たした髙橋窓太郎さんは、「50年後の世界遺産を一緒につくりませんか」と会場の観客に呼びかけた。

東日本大震災で最大20メートルの津波の被害を受けた岩手県石巻市雄勝町には、現在、高さ10メートル、長さ3.5キロメートルの防潮堤が建設されている。髙橋さんは、灰色の殺風景な防潮堤を色彩豊かで人々が集う場所に変えるため、「海岸線の美術館」を考案した。

きっかけは、会社の研修で訪れた雄勝町で、「美しい風景が失われた」「街を愛せなくなった」という地元の声を聞いたことだった。芸術一家で育ち、東京藝術大学・建築学科で芸術を学んできた髙橋さんは、「この壁を変えられるのは僕だけだ」と会社を辞め、美術館の製作に乗り出した。

同美術館は、2022年11月に開館し、現在は6つの壁画作品が健在する。これらの作品は、この活動に共感してメンバーに入った壁画制作アーティストの安井鷹之介さんによるものだ。毎年、地元の学校と一緒に壁画をつくる「壁画プロジェクト」も行ってきた。

様々な人の協力を得るため、株主ならぬ「壁主」事業も始めた。防潮堤は約7万のコンクリートパネルが合わさってできており、その1パネルの壁主になれる権利を販売する。壁主には、証明書の発行やアクリルレプリカが贈呈される。すでに180人が壁主に登録済みだ。

このほか、壁にアートを施した、空き家のリメイクホテルやサウナ、カフェ事業を展開し、美術館の運営を行っていく予定だ。

段ボールの家具で新しい選択肢を増やす

段ボールでつくる家具の製造・販売を行うカミカグ(東京・墨田)代表の和田亮佑さんは、200枚の段ボールを買い込み、手張りで接着するところから事業を始めた。

近年多く出回っている組立式の家具のリサイクル率はたった9%と、処分が煩雑で、環境負荷が高い。それに対し、日本の段ボールのリサイクル率は98%で、再資源化での木パルプ使用量は、一から作るのに比べて10分の1程度で済むという。

なぜこれだけのポテンシャルがあるにも関わらず、段ボール家具が普及しないのか。和田さんは、「意匠性が乏しいためだ」と主張した。

現在、段ボール家具は段ボール屋がつくっており、デザイナーや家具屋の手は入っていない。折りや差し込みなどの専門的な領域が多い段ボール業界にはデザイナーが入り込むのが難しい現状があるという。

これらの課題を解消するため、カミカグでは段ボール3Dプリントシステム「LAMINATE(ラミネート)」を独自開発し、一般のデザイナーでも自由に家具のデザイン設計ができるようにした。最近発売した「cat cellar(キャットセラー)」は、makuakeでデイリーランキング1位に輝いた。

「ペーパーレス化によって苦しむ紙業界との協業体制も構築することで、業界減少の解決にも役立ってきた。私たちがつくっているのは家具ではなく、未来の新しい選択肢だ」と話した。

途上国の農作物を美味しく、安全に先進国へ

タベテク(東京・千代田)は、常温であっても薬剤を一切使わずに農作物の鮮度保持を行うプラズマ殺菌の会社だ。同社代表の田苗眞代さんは、「この技術を用いて、途上国の果物を美味しく、安全な状態で先進国に届けたい」と夢を語る。

田苗さんは以前、歯科衛生士として働いており、医療器具を殺菌するための薬品をこぼしたことがあった。薬品を吸い込んで数秒で頭痛と吐き気に見舞われたという。その薬品が農薬としても使用されていることを知り、農薬を使わない方法を社会実装しなければならないと思い立った。

「国が認めた農薬だから安全だと思うかもしれないが、農薬は様々あり、複数種類合わさった場合の検査はなされていない。輸入果物のほとんどは化学薬品である防腐剤でスプレー処理されている」と田苗さんは語る。

これにとって代わるのが、プラズマ殺菌だ。プラズマは人工的につくられた雷で、九州大学などが効果や安全性を証明済みだ。

柑橘類の輸出大国であるトルコの企業とともに実証実験を始めた結果、無処理のものに比べ、プラズマ処理を行った果物の保水率は2倍高いことが分かった。同装置は全自動で1日1~2時間の稼働で良いため、コスト面にも優位性が認められた。

2024年4月、初となるプラズマ処理したトルコの柑橘果物1000㎏を日本へ輸入する。

見える人と見えない人が、同じ景色を楽しめる社会に

生まれたころから全盲の西田梓さんは、「私は旅行が大好きだ。目が見えない人の中にはお金を払ってでも旅行に行きたいと思っている人が多いのに、世の中には目が見えない人に配慮したサービスが少ない」と社会への違和感を訴えた。

西田さんは普段、目が見えない人にパソコンの使い方を教える職業指導員として働く。全国には視覚障がい者手帳を発行している人が約31万人、目が見えにくいと感じている人は160万人いるという。

視覚障がい者が旅行に行く場合、ガイドヘルパーが必要だ。つまり、視覚障がい者が旅行に行った際にかかるお金は一般の人の約2倍かかり、経済効果が高い。西田さんはここに目をつけ、視覚障がい者がそれぞれの障がいの程度に合わせて旅行をプランニングできる情報提供サイト「another eyes」の立ち上げを決めた。現在、株式会社設立へ向け、準備中だ。

サイトでは、旅が好きな視覚障がい者から利用しやすかった施設や盲導犬が入店できるお店かどうかなどの情報を集め、ガイドヘルパーへのアクセスや交通チケットの予約代行なども同サイトから直接できるような仕組みを構築する。有料会員ページも設け、ソーシャルスキル講習会やお出かけイベントも実施していく予定だ。

このほか、ガイドヘルパー育成のための研修や目の見えない人がどのようなサービスを求めているのかについて講演会などを通して積極的に伝えていくという。

西田さんは、「視覚障がい者がもっと街へ出て、旅行を楽しめるようになること、それが通常の街の景色になることをめざしたい」と締めくくった。

プレゼンテーションは夢を実現する大きな1歩に

去年開催された「みんなの夢AWARD13」を観客席で見ていた中学3年生の髙橋春帆さんは、アワードの舞台に立つという夢を叶えた。この夢を叶えるため、3200人の前でスピーチを行うなど、1年間数多くの実践を踏んできたという。髙橋さんは、「中高生のプレゼン教育の革新」について伝えた。

「プレゼンは単なるスピーチではない。プレゼンは私たちに勇気を与え、聴衆を動かす力がある」と髙橋さんは力強く語る。

最近の保護者へのアンケートでは、親が小学生に身に付けさせたい力の第2位には「プレゼンテーション能力」がランクインしており、学校でのプレゼンの機会も増えた。しかし、学校の先生がプレゼンについて学んできているわけではなく、中高生はプレゼンに悩みを抱えているという。

伝え方教育を展開しているカエカ代表の千葉佳織さんやプレゼンテーション協会の前田鎌利さんなどの専門家の協力のもと、髙橋さんは中高生にプレゼン教育を行う「伝える学び舎」で、夢を言葉にすることを軸に独自のカリキュラムやセミナーを行う。

受験の面接や生徒会活動など、様々なシーンに対し、サポートする。すでに5つの高校からプレゼンセミナーの依頼が来ているという。髙橋さんの次の夢は、プレゼンテーション講師の取得と米国のプレゼンイベント「TEDx」への出場だ。

「独自の農家フランチャイズシステム」で日本農業を支援

京都府福知山市でトマトを栽培している小林ふぁーむ代表の小林加奈子さんは、独自の農家フランチャイズシステムを立ち上げた。

同フランチャイズシステムでは、トマトの苗・肥料・ノウハウを無償で提供し、形が悪くてもトマトはすべて買い取る。農業を始めるための経費を抑えることができるため、農家は売上げをそのまま儲けることができる。災害や病気による全滅回避もできるほか、新規就農希望者のチャレンジの場としても有益だ。

これまでに約20人が参加し、年間3トンのトマトを栽培・収穫、トマトジュースを販売した。売上げも順調で、半年待ちの商品もあるという。1本1000円を超える完全無添加のトマトジュースは、2018年に起きた西日本豪雨によって水害にあった際に駆け付けた仲間たちと集めた1カゴのトマトから生まれた商品だ。

「農家は栽培について学ぶ機会はあるが、食卓に届くまでの過程を学ぶことは少ない」と、同フランチャイズシステムを活用した実践的な学び場づくりにも力を入れる。

美味しい野菜の育て方はプロの農家さんに、トラクターの乗り方は農業機械士さんに、野菜の販売の仕方は八百屋さんやバイヤーさんに教えてもらう――。そんな講座を開いていくという。

ファイナリスト7人の発表を終えて、渡邉代表理事は、「戸松裕登さんの夢の向こうには日本の明日を支える中小企業の皆さんが頑張っている姿が見えた。髙橋窓太郎さんの夢の向こうには壁の世界遺産が見える。夢は将来の子どもたちの笑顔を生む。私たちは夢を本気で応援していきたい」と語った。

次回「みんなの夢AWARD15」は、2025年に開催される予定だ。

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牛にも人にもやさしい「北海道美幌グラスフェッドアイス」 /o-kun/news/20230823/ Wed, 23 Aug 2023 01:00:55 +0000 /o-kun/?post_type=news&p=180 ■井関俊幸・ワタミファーム代表取締役社長インタビュー

約300ヘクタールという広大な牧場で、有機の牧草を食べて育った牛の生乳からできた「北海道美幌グラスフェッドアイス」。卵や化学添加物は不使用で、牛乳本来のコクと甜菜糖の自然な甘さが口に広がる。カロリーと糖質は、一般的なアイスの2分の1だ。なぜワタミファームはアニマルウェルフェア(動物福祉)に配慮するのか。同社の井関俊幸代表取締役社長に話を聞いた。

ワタミファームの井関俊幸代表取締役社長

ワタミファームの井関俊幸代表取締役社長

■「本来の牛の生態に合わせて育てたい」

――ワタミファーム美幌峠牧場(北海道美幌町)では、牛たちは有機栽培た牧草を食べて過ごしています。こうした放牧型グラスフェッド酪農は、日本全体の数%に満たないそうですが、なぜワタミファームは牧草飼育にこだわるのでしょうか。

「牛の生態に合わせた育て方をしたい」という思いがあり、放牧型グラスフェッド酪農に取り組むことになりました。

もともと美幌峠牧場は町営だったのですが、運営が厳しくなり、2018年から当社が美幌峠牧場で酪農事業を開始しました。農場長の福村拓也は、北海道で食肉のバイヤーをしていたのですが、「牛にやさしい飼育」を実現したいという思いが強かったのです。

牛は本来歩き回って草を食べて生きていますが、家畜化された牛は、穀物飼料を食べています。そのほとんどは海外から輸入された飼料です。

そこで、徐々に穀物飼料から牧草に切り替えました。牛の数も当初の50頭から300頭に増やしました。主に有機栽培で育てた自家生産の牧草で飼育しています。牧草地の97%で有機認証を取得しました。

冬期以外は、放牧酪農を行っていますが、この1カ月は、北海道も猛暑のため、牛舎で牛を休ませることもあります。

私たちは何よりも、ストレスを与えず、病気にならないように、牛の健康を守ることに力を注いでいます。一頭一頭にタグをつけ、体調管理を徹底しています。

やはり広い牧場をのびのびと歩き回る牛の姿を眺めるのは楽しいものですね。

――グラスフェッドの人気は徐々に高まっていますが、消費者の意識は変化していますか。

関心は高まっていると思いますが、グラスフェッドの認知度はまだまだ低いと思います。そもそも、牛乳パックのデザインにあるように、ほとんどの消費者は、乳牛は放牧されていると思っているのではないでしょうか。

実際は、草食動物である牛に高カロリーな穀物原料の飼料を食べさせ、歩き回ることのできない牛舎で飼育しています。これでは牛の健康に良くありません。

■搾乳量よりも牛の健康を大切に

牛たちがのびのびと育つ美幌峠牧場

牛たちがのびのびと育つ美幌峠牧場

――美幌峠牧場の牛たちは、平均よりも長生きだとお聞きしました。

日本の乳牛の寿命は5~6歳と言われていますが、美幌峠牧場の牛の寿命は、その2倍ほどです。

私たちが最も大切にしているのは、牛の健康管理です。人間と同じで、牛も食事と運動が大切です。1回あたりの搾乳量も抑えるようにしています。

実は、牧草よりも、高カロリーな穀物飼料で育てた方が、乳量は増えるのです。しかし、1回の搾乳量は少なくても、牛が健康で長生きした方が、事業としてもメリットがあります。

有機農業も一緒で、単位面積当たりの収穫量は2~3割少ないです。それでも、食料の安全保障という点で、有機農業はとても重要です。ワタミファームは2002年から有機農業に取り組んでいますが、「本来あるべき農業」の追求といえます。

――健康に育った牛乳は、人間の健康にも良さそうですね。「美幌グラスフェッドアイス」は、牛乳本来の味が楽しめ、すっきりとした後味が魅力です。

ワタミファームの「美幌グラスフェッドアイス」

ワタミファームの「美幌グラスフェッドアイス」

美幌峠牧場の牛乳には、オメガ3脂肪酸や共役リノール酸が豊富に含まれ、栄養価も高いです。「美幌グラスフェッドアイス」は、卵と化学添加物が不使用で、生クリームも使っていません。

ですから、普通のアイスと比べて、カロリーと糖質が2分の1に抑えられています。牛だけでなく人にもやさしいアイスクリームとして、ギフトにもおすすめです。

■アイスの原材料は北海道産にこだわる

――美幌峠牧場では、循環型の酪農モデルを構築されています。改めて環境にはどのような良い影響がありますか。

「フードマイレージ(食料の輸送距離)」という概念がありますが、まず美幌峠牧場では飼料を輸入に頼らず、自家生産しているという点で、CO2排出量を抑えられています。アイスの原材料は北海道オホーツク産にこだわり、オホーツク産の甜菜糖、オホーツクの塩を使用しています。

牧草は有機栽培ですから、微生物が豊富な土壌を育み、炭素の貯留にも貢献します。

牛糞はそのまま有機の牧草の肥料となり、循環型の酪農を実現します。さらに、牛の堆肥は、地元の農業にも還元し、循環型の酪農モデルを広げる挑戦も行っています。

また、国際情勢に伴い輸入飼料が高騰していますが、輸入に頼らないことは大きな強みにもなっています。環境と経済の両立を目指しています。

――ワタミファームの今後の展望は。

ワタミファームは、アイスクリームのほかにも、様々なオーガニック商品を提供しています。こうした商品を通じて、環境や社会、アニマルウェルフェアなどに対する意識を高めていきたいという思いがあります。

特に、「美幌グラスフェッドアイス」は、私たちの6次産業モデル「ワタミモデル」を象徴する商品です。生産の背景や魅力を多くの方に知っていただき、広く浸透させることが目標です。例えば、高級アイスを食べる方のうち、10人に1人でも「環境」を意識した買い物をしてくれるようになればと思います。

※「北海道美幌グラスフェッドアイス」は、ワタミオーガニックのオンラインショップ楽天市場、 ワタミファーム店舗や北海道のアンテナショップのほか、全国の「ミライザカ」「鳥メロ」「焼肉の和民」などで購入可能です(なくなり次第販売終了)。

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「高校生みんなの夢AWARD4」、「離島物流にイノベーションを」がグランプリに /o-kun/news/20230817/ Thu, 17 Aug 2023 01:00:34 +0000 /o-kun/?post_type=news&p=178 高校生が社会課題を解決するビジネスモデルを発表する「高校生みんなの夢AWARD4」が8月8日、国立オリンピック記念青少年総合センター(東京・渋谷)で開かれた。高校生は、事前学習コンテンツである「ソーシャルビジネス学習プログラム」を通じて、社会課題やビジネスの仕組みを学んできた。エントリー608人のうち、10人がファイナリストとして登壇。グランプリには、水上飛行機で離島の物流課題の解決策を提案した保坂詩音さん(郁文館高等学校3年)が選ばれた。

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「高校生みんなの夢AWARD」は、未来を担う高校生が社会問題の解決と自分の夢を重ね、起業家精神を育むことを目的としたビジネスモデルコンテストだ。

 事前学習コンテンツである「ソーシャルビジネス学習プログラム」は、社会課題を解決する起業家の事例に触れ、ビジネスの仕組みを理解し、夢をかなえる力を培うことを目指す。

 主催する公益財団法人みんなの夢をかなえる会は、受賞した高校生の事業計画や夢と関連する国内外研修旅行など、夢にまつわる応援サポートを行う。

 グランプリには、ビジネスモデルに関連する国内外の研修旅行券20万円分、準グランプリには10万円分が贈られた。


水上飛行機で日本の島をつなげる

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審査の結果、グランプリに選ばれたのは、「離島物流にイノベーションを」を提案した郁文館高等学校3年の保坂詩音さんだ。水上飛行機を用いた新たなモビリティで、離島物流の課題を解決するビジネスアイデアを発表した。

保坂さんは、日本に14000もの離島が存在するにもかかわらず、そのほとんどが空港設備を持たず、輸送を船のみに頼っている現状について分析した。これは、観光産業の不活性化や物流の脆弱さ、人口流出を招いているという。

保坂さんの案では、離島を路線バスのように周回することで効率性を上げ、EV化によってコスト削減を目指す。機内のインテリアを取り外し可能にし、貨物や患者の輸送などの医療逼迫にも大きく貢献する。

保坂さんは「このような栄誉な賞をいただけて光栄だ。事前合宿の際に、ファイナリストの皆さんのクオリティーの高いプレゼンテーションに圧倒された。そんな皆さんと一緒にプレゼンの練習を行う機会をいただけたことに感謝している。私は、この水上飛行機で日本の運送にイノベーションを起こしたい」と話した。

■里庄町の特産物「まこもたけ」で牛の飼料づくり

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準グランプリには、おかやま山陽高等高校3年の園田智也さんが選ばれた。園田さんは、岡山県里庄町の特産物である「まこもたけ」を、耕作放棄地を活用して栽培し、牛のエサにするビジネスを考案した。

まこもたけは、イネ科の多年草「まこも」の茎に黒穂菌がついて肥大化した部分で、食物繊維やビタミンが豊富なスーパーフードだという。園田さんは、まこもたけ収穫後に廃棄される茎葉部を発酵させて、牛用の無農薬サイレージ(飼料)を提案する。

7.5haの耕作放棄地で、まこもたけを栽培すると、年間37.5トンの飼料(約20頭分の粗飼料)が生産できる。耕畜連携や兼業農家への展開も視野に入れ、より持続可能な農業も検討する。

園田さんは、「準グランプリをいただけたことは、私にとって大きな経験となったと同時に、『まこもたけ』を全国の皆さんに知ってもらえる機会になった。このビジネスモデルで地域農業の持続可能な発展を目指し、農業・農村の持つ力で、日本を支えていきたい」と話した。

■「廃棄おから」から健康非常食を

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沖縄県立那覇商業高等学校3年の上原杏樹さんは、廃棄おからで健康非常食を作るというビジネスアイデアを提案した。

管理栄養士を目指す上原さんは、栄養に関することで「何かできることはないか」と考えるなかで、高タンパクで高食物繊維、低糖質の日本発のスーパーフード「おから」に着目した。豆腐を作る際に出たおからの食品ロスを減らすことと、災害対策の両立を目指す。

上原さんは、廃棄おからを使った「マッシュポテトテイスト」を考案。試作品では、真空パウチを使い、長期保存を可能にした。食べなれた料理にすることで、古いものの期限が切れないうちに食べて新しいものに変えていく「ローリングストック法」を進める。

上原さんは、「いつ起こるかわからない自然災害に、みなさんのごはんの1品に、この廃棄おからを使った健康非常食で備えてみませんか」と呼びかけた。

■陸前高田に「新たなにぎわい」を

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岩手県立高田高等学校2年の佐々木淳哉さんは、夢でもある「陸前高田市に賑わいをつくる」ため、けせんシーファームセンターの設立を目指す。

2021年に三陸道が全線開通し、仙台からも約2時間と近くなり、仙台圏からの集客も見込まれる。しかし、通過車両が増える懸念があり、市にどう降りてもらえるかを考えた。そこで、青森県八戸市にある「八食センター」を参考にして、ビジネスモデルを考えた。

陸前高田市市内小友地区にある広大な干拓地を活用し、「けせんシーファームセンター」を作る。そこでは当市自慢の海産物・農産物を手ごろな価格で購入できるほか、長時間滞在できる場所もつくる。

小友地区に今年オープンするキャンプ場の宿泊者には、BBQなどの食材を購入できる場所として連携する事により、キャンプ場とのWin-Winの関係となり、地域への貢献度も上げる。

「沢山の人々が恩恵を受ける形となり、『三方よし』となること間違いない」と力強く語った。

■農業用マルチシートを天然素材に

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京都先端科学大学附属高等学校3年の七瀧舞華さんは、生産者にも環境にも配慮した農業用マルチ資材の普及を目指す。

「野菜を栽培するときの最大の敵は何だと思いますか。害虫や病気でしょうか。もちろんその対処も大変ですが、私は雑草だと思う」

七瀧さんは、プレゼンテーションで、こう投げかけた。一般的に使われているビニールマルチは、回収費が高騰しているほか、処理に負担がかかっているという。

そこで、撥水性や耐久性を向上させた紙マルチをビニールマルチの代わりとして普及させるビジネスを提案した。滋賀大学やメーカーの協力を得て、紙マルチに柿渋を塗装し、撥水性や耐久性を向上させながらも、土にすき込むことで分解する商品の製造・販売を目指す。

七瀧さんは「全て天然素材であり、栽培したあと土にすき込むことで農作業の負担軽減につながる」と魅力を説明する。

「柿渋に含まれるカキタンニンは、ビニールに代わる史上最強の天然資源。柿渋紙マルチで世界の農業の常識を変えたい」と訴えた。


「政治レシートマシーン」で投票率を上げる

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頌栄女子学院高等学校2年の岩田真奈さんは、「住み続けられる日本」の実現に向け、政治参画を推進するため「政治レシートマシーン」を考案した。

2021年の衆議院議員総選挙では、10代から30代の投票率は50%以下だった。危機感を覚えた岩田さんは、レシートのように政治家のプロフィールや政策が印字されて出てくる機械を考案した。2019年4月にロンドンの駅構内に設置された短編小説の自動販売機を参考にした。

選挙に立候補した候補者が、登録料を払うというビジネスモデルだ。クーポン付きレシートや電子レシートの導入なども視野に入れ、環境に配慮した設計を検討する。

岩田さんは「『誰に投票すればいいか分からない』『政治に興味ない』という問題を解決し、投票率を上げることで、より良い日本社会を実現させたい」と語った。

■介護と保育の両立運営で補い合う

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茨城県立水戸商業高等学校3年の髙橋玲奈さんは、人材が不足している介護士と保育士を互いに補い合うビジネスモデルを発表した。

日本政府は、少子高齢化の対策の一つとして、保育園を増やす対策を打ち出したが、保育士の人材不足や賃金の低さなどの課題は未だ解決されておらず、保育士の負担は大きいままだ。

そこで、髙橋さんは、保育園と介護施設を同じ敷地内に建てるという案を提案する。子どもたちはお年寄りに活力を与え、お年寄りは子どもたちに遊びや知恵や教える。一緒に遊んでくれる人が増えることで保育士の負担は減り、介護士の助けにもなると考えた。若い人たちにもアルバイトとして加わってもらい、経営の安定化を目指す。

高橋さんは「シニアをアクティブシニアにして、社会のシナジーを向上させることで、全世代が生き生きと過ごせる日本を目指します」と意気込みを語った。

■カキ養殖用パイプをバイオマスに

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宮城県立岩ケ崎高等学校3年の三浦透馬さんは、カキ(牡蠣)養殖に使用するまめ管を植物由来のバイオマス素材へ代替するアイデアを披露した。

まめ管とは、牡蠣の子どもを植え付けたホタテの貝殻同士の距離をとるために使われる道具だ。大体がポリエステル素材で出来ており、波や風の影響ですぐに破損しやすく、海洋生態系に深刻な影響を与えているという。

そこで、ポリ乳酸を製造するユニチカ社などと連携し、バイオマス素材でまる管を製造する。ポリ乳酸は生分解性を持ち、耐久性にも優れる。いずれはブイやロープなどの漁具にもポリ乳酸素材を導入していく。

三浦さんは「豊かな自然、美しい海、生物多様性を次の世代に残していきたい。だから私は行動します」と力強く語った。

■「コンポスト」を理科教材に

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茨城県立竹園高等学校2年の樋野葵さんは、コンポストを使った環境教育を提案する。

生ゴミの燃焼には強い火力が必要であり、二酸化炭素の排出が多くなるという課題がある。そこで注目されているのが、生ごみなどの有機物を微生物の働きで堆肥化するコンポストだ。しかし、匂いや虫などを理由に、日本でコンポストを行うのは約8.8%にとどまる。

そこで、理科の授業のコンテンツとしてコンポストを販売するビジネスモデルを考案した。「コンポストン」と名付けられたコンポストは、2つの箱で構成されている。2つの箱があることで、入れる野菜や混ぜる回数を変えて対照実験ができ、子どもたちへ実験の楽しさを伝えられるだけではなく、環境保全にも貢献できる。

樋野さんは「コンポストンで子どもたちに理科の面白さを伝え、その『楽しい』を原動力に持続可能性についても伝えていきたい」と語った。

■アラブ人を日本に呼び込む「NAJOOM ALSHARQ」ツアー

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渋谷教育学園幕張高等学校2年の武藤慶之介さんは、アラブから観光客を呼び込み、日本を活性化する施策を提案する。日本に来たいアラブ人が多いにもかかわらず、訪日したことがあるアラブ人は4%にとどまっている。

10年前にアラブに住んだ経験がある武藤さんは、なぜアラブ人が日本に来ないのか、疑問を持った。礼拝場所やハラールレストランなど、日本では宗教的配慮が整備されていないことが多い。

そこで、武藤さんは、アラブ人向け日本観光ツアーサービス「NAJOOM ALSHARQ(東の星)」を考案した。旅程はカスタマイズ型だ。アラブの企業が集客をし、日本のレストランやお土産店が紹介料を払うといったパートナーシップを組む。日本では、アラブ人の集客に特化したサービスは全くないので、競合を回避でき、日本経済の成長も期待できると考える。

武藤さんは「観光のバリアを無くすことで不平等を無くし、ムスリム観光客が増えることで日本の経済が大きく成長します」と語った。

2023_08_08_350            「高校生みんなの夢AWARD4」の審査委員ら

渡邉美樹・審査委員長は、「今回はグランプリ、準グランプリともに満場一致だった。『好き』が高じて発表以外のことも調べ上げている姿勢が審査員の心を動かした。これからも様々な問題にアンテナを立て、関心を持ち続けてください。それによって、社会が少しずつでも良くなっていく循環に期待したい」と総評した。

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ワタミが創業記念祭、永年勤続表彰や創業者特別賞で社員を表彰 /o-kun/news/20230524/ Wed, 24 May 2023 01:00:19 +0000 /o-kun/?post_type=news&p=176 ワタミは5月15日、第39期ワタミ創業記念祭を開催した。創業記念祭では勤続10年、20年となった社員への永年勤続表彰や、前年度に特に功績を挙げた社員に対してワタミ物語賞、創業者特別賞などが贈られた。

第39回ワタミ創業祭「第39期ワタミ創業記念祭」の社員ら参加者全員で記念撮影

前半は手相芸人の島田秀平さんが登場。手相についてトークショーを行った。渡邉美樹会長が今後の事業での「重要なキーマン」として指名した「焼肉の和民」と「ワタミの宅食」の責任者の手相も診断した。

後半には、永年勤続10年表彰、20年表彰、ワタミ物語賞、創業者特別賞が発表された。

10年表彰を受けた社員は、「母がワタミのお弁当を食べてみたいと言ったのがきっかけで入社した」と振り返る。「母の病状が悪くなったとき、『有給を全部使っていいから』と言っていただき、母の最期を看取ることができた。ワタミに入社したおかげで、働き方を変えながら子育ても介護も終えることができた」と語った。

20年表彰を受けた社員は「これからはワタミの理念をもとにして、不確実な世の中を戦っていける自立した人間をひとりでも多く育てていきたい」と今後の意欲を示した。

ワタミモデルを実践した社員を表彰するワタミ物語賞では食品残さを半分以下にした社員、創業者特別賞では事業での再生可能エネルギー活用を進めた社員などが表彰を受けた。

創業記念祭の最後に渡邉美樹会長は「一人ひとりのお客様がありがたいという気持ちに戻って仕事をしていただきたい」と激励。会社のあり方についても「社員が幸せであって、取引先さまが『ワタミと取引してよかった』と思われる会社でありたい」と語った。

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